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芝公園の新居 その1

『映画ファン』昭和13年2月号
「桑野通子のけふ此の頃」より




・・・あなたが、スピード第一主義者だったら、 桑野通子に出すファン・レターの宛名は 東京市芝区芝公園14号地14になさい。
理由は、芝区三島町にてイトナム*とんかつ屋「喜楽軒」と 別に最近、自分自身の家を、一軒構へたからです。

*現在の地図


毎晩10時をすぎると、お父さん、お母さんも、 あとはひとにまかせて、店からかへって来ます。 さる*設計家が、経験と趣味にものを言はせて、 建てただけあって、なかなかもって、スバラシイ家です。  さあ、お目に掛けませう!

*復興建築の阪東(坂東)義三氏と思われる。


NO.1

応接間にあって、壁間に掲げた自分の
スキー姿に見入る彼女
窓側には、電気蓄音機が、
ものものしく控へてゐるのですが、
キャメラから切れて見へません。

NO.2

マネーヂャー、堀越あさ子こと、
あさちゃんを相手に、
縫ひ物に余念のないところ。

NO.3

ファン・レターの返事とたゝかふの図。

NO.4

モシモシ・・
誰に電話をかけてゐることやら。
気になりますナ。

NO.5

俳優係がトツヂョとして訪ねてきました。
きふに、撮影の用事が
出来たのでせう?

NO.6

丸っこいモダンな顔に、和服が、
異な対称をなしてゐるではありませんか?

NO.7

お人形を愛撫するのていとござい・・

ちなみに電話番号は
芝0752番ださうですが、
いたづら電話はやめませう。



芝公園の新居 その2

『映画朝日』
昭和15年4月増大号


芝公園十四号地、もと建築家の住居だったといふ外観洋風の二階家が桑野通子の家だ。 大阪のアトラクションで風邪をひきこんで相当長い病床にあったが、 いまはもうこの通り元気になった。


※東京市芝区芝公園14号地 14は現在の港区芝公園2丁目11で、芝公園タワーと真乗院に挟まれた辺り




玄関突きあたりの応接間
若い女優さんの部屋としては
調度飾りつけも極めて簡素な
好みで統一されてゐる。



病気見舞にファンから贈られた
果物籠



こんなに沢山のスキーや靴は
兄さんや妹さんの分まで預って
ゐるからだといふ




電話を聞きながら必要なことは
傍の黒板に書きとめて置く



仏壇を開けると中には仏様はなく
座布団が四五枚無雑作に積み重ねて
あるのも如何にも桑野通子の住居らしい
この部屋南の窓から暖い太陽がさして
頗る居心地がよい



一寸失礼して納戸を覗いたらこの通り
身の廻りの品の整理は
  かうありたいものだ。


これはまた細長いお風呂場です
狭いスペースを有効に使ってゐるナ。



玄関靴ぬぎから見た応接間
チューリップが早春の香を
放ってゐる?



門の外から見たお住居全景
二階の窓から覗いて
“いゝ天気ネ”


芝公園の新居 その3

『スタイル』昭和14年新年号
「桑野通子さんのお宅拝見」より


間取り図 


桑野通子さんのところは芝公園の中の一四號地にある。 近所の交番のお巡りさんが、とても馴々しい口ツ振りで 「さつき、何處かへ出かけて行つたやうな氣がするが・・・」 なんてことまで教えてくれる。


桑野さんは芝区の土地ツ子で、お巡さんばかりでなく、 案外そこいらの近所のひととみんな仲良しなのかも 知れない。桑野さんは、誰にでも友達になられさうなひとである。




玄関入口にピーター君とミス・ウエンディが
列んでゐる



応接間の桑野さん



愛犬たちと



二階の次の間から芝公園を望む
遠くに増上寺五重塔



二階の居間の一隅・衣裳拝見



(左)居間の一隅
(右)二階居間から見た次の間


←昭和12年の住宅地図
(上が東)
  東側に文化女学校を確認できます。 各番号は、便宜的な付与番号と思われます。なお、当時の登記簿は残っておりません。

現在の地図



ミッチーの副業

銀座乃店と健康美容室
近日アップ


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永遠の桑野通子
MICHIKO KUWANO FOREVER



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